韓国皮膚科の歴史の生き証人

60年にわたる発展を遂げてきた先進医療機関、KYE皮膚科医院

韓国の皮膚科の歴史を語るときに、KYE皮膚科医院を抜きにすることはできないであろう。KYE皮膚科医院は「皮膚科」という単一診療科目の専門医院を企図して成功を収めた代表的な事例であり、最も長く続いてきた皮膚科の一つだ。1961年、永登浦で開院した当時は皮膚科という概念自体がなじみの薄いものだったが、その当時から皮膚科の患者の診療をしてきた所だ。

その後、KYE皮膚科医院は、1981年に金重浩名誉院長が引き受けて以来40年間、皮膚科医院の概念と歴史を塗り替えてきた。キム名誉院長は、初代院長から医院を引き継いだ後に建物を増築し、医療機器を拡充すると同時に医療スタッフを招き入れ、顧客満足·患者中心の皮膚科医院を目標に成長発展させてきた。その結果、当時、他にはなかった週7日診療制により、全国から訪れる患者で門前市を成し、優れた医療スタッフと先進の診断と検査、治療機器を目当てに海外の同胞や放送人もよく訪れる皮膚科として有名になった。キム名誉院長は、「初めの数年間は365日、朝9時から夜9時まで診療した。もともと診療時間は午後6時までだったが、患者さんが押し寄せてきて帰ることができなかった」と語った。また、「医療保険公団や審査評価院院がまだなかった頃、医療保険連合会が病院で診療を受けた患者数を数えたところ、 個人医療院としては私たちの病院が全国で患者数第１位だった。今は多少減りはしたが、いまだに当時から訪れてくださるありがたい方々がいる」と述べた。このような盛況についてキム名誉院長は、誠実な態度が大きな役割を果たしたと語る。キム名誉院長は「医師が患者に接するときに必要なのは、基本的に誠実な態度だ。誠実に診療をするということは結局、その人の話を十分に聞くことであり、病気に関する情報を知ることになる」と述べた。2020年、現院長の金信漢病院長が医院を引き継ぐことになった、これまでの勤務経験をもとに、さらに発展した医療技術を導入し、先進医療機関となりつつある。

大学病院よりも多い7人の専門医

有機的かつ緊密な会議で最適な診断と最高の治療方法を提供

KYE皮膚科医院の長い歴史と共に最大の長所は、大学病院よりも多い7人の専門医がいるということが挙げられる。キム名誉院長が一人で診療していた時代、その努力と情熱ゆえに全国から患者が集まってきたが、その結果として一人ではとうてい診ることのできない状況になった。そこでキム名誉院長は病院を拡張すると同時に皮膚科専門医を招き、多数の専門院長システムを導入した。その後、専門医9人制を運営するほどに拡大し、1日に千人以上の患者を診療したこともあった。大学病院で教授1人が1日約100人の患者を診ることを考えると、これは大学病院よりも多く、皮膚科医院としては記録的なことだ。現在はキム名誉院長とキム病院長を含む7人の専門医が院長として専門的な診療を行っている。キム病院長は、この７人の専門医について、「複数の人がいるので、それぞれの長所を共有できる。データや診療経験といったものを共有し、複数の人が共に積み上げていくことがノウハウになる」と語った。すばらしい名医だとしても一人でできることには限界がある。人によって視点が異なり、それによって自分の視点を変えることが可能だ。複数の人が会議で話し合いをすれば、異なった視点から治療をしてみることもできる。キム名誉院長は「今いる先生の中には20年、30年以上もおられる先生もいる。これらの先生方は長きにわたって診療室で患者さんに数多く接し、患者さんからも信頼されている」と述べた。

光線治療からレーザー手術まで

皮膚疾患と皮膚美容のための様々な治療設備

 KYE皮膚科医院は優秀な医療スタッフだけでなく、様々な先端医療設備がある。 注射室や治療室などの一般的な病院の治療施設のとどまらず、皮膚疾患のための専門的な治療のための設備を備えている。その中でも紫外線光線治療室は、アトピー性皮膚炎や乾癬など重度の皮膚病変やかゆみを引き起こす病気を治療するのに大きな助けとなる。皮膚に紫外線治療を施して炎症を効果的に抑え、皮膚を回復させる。薬物治療ではないので大きな副作用なく皮膚疾患を治療することができる。また、最新の治療用レーザーであるエキシマVelocity 7レーザーは、乾癬や白斑症など一般的な薬物治療では好転を期待しにくい難治性皮膚疾患を治療するために使用される治療法である。この他にもヘリウムネオンレーザーなどを備えて感染病や帯状疱疹など、ひどい痛みを誘発する疾患において、患者の日常生活を回復するために、傷の治療や痛みのコントロールに役立てている。

診療記録のアーカイブ化、ビッグデータに基づくガイドラインを設定

キム金病院長は、より高く飛躍するために昨年から施設のリニューアルを準備しているが、これと共に進行中のデータ復元/電算化によるアーカイブ作業が注目されている。個人医院が診療記録をアーカイブ化することは珍しいことで、特にKYE皮膚科医院は韓国の皮膚科診療の歴史と言えるほどの長年の診療記録を有してているだけに、なおのこと注目される。キム病院長は、「保険診療や疾患診療をより近代化する作業が伴わなければならない。それを通じて他の治療方法や治療が可能な病院を知らない患者さんに、もっとそのような情報を知らせるべきだ」とアーカイブ作業を行う理由について述べた。

このようにキム病院長は、患者のために学会で治療状況と適用方法をアップデートし、データが蓄積され安全性検証が完了した原料や機器だけを導入している。また、一般人向けにオン/オフライン皮膚疾患情報を発信してカスタマイズ型の教育を行い、ビッグデータをもとに様々な用例と疾患に合ったガイドラインを設定し、さらに複雑になる患者の症状に対応していくということだ。

KYE皮膚科医院はこれまで累積患者8百万例の診療記録を達成しており、医療保険組合連合会感謝状、財務部長官表彰状、国税庁長表彰状、医療保険連合感謝状、財政経済部長官表彰状、ソウル特別市議会最優秀会員賞連続5年受賞、永登浦スマートメディカル特区皮膚科特化事業者指定、また、朝鮮日報メディカルヘルスケア皮膚科部門大賞、ヘラルド経済大韓民国未来経済大賞などを受賞した。キム病院長はまた、「最近の整形外科と皮膚科の境界線はとても曖昧になってきている。最近の皮膚疾患はもちろん、皮膚美容のトレンドに合わせてさらに一歩進んだ医療機関として生まれ変わり、今後も60年の伝統を超えて各種の皮膚疾患/美容に強い専門医療スタッフが最善を尽くして患者さんに感動してもらえる医院という名声を持ち続けていくつもりだ」と自信をもって語った。