クライメートクロックとは、地球の平均気温が1.5℃上昇するまでに残された時間を表す時計である。1.5℃上昇するまで使用できる炭素の予算(Carbon Budget)を基に製作されており、これは私たちが気候の禍を防ぐことのできるマジノ線を意味している。世界各国は絶えず変化している異常気象に対処するため、努力を惜しまずにいるものの、これといった解決策を出せずにいる。そんな中、韓国の中小企業が「クライメートクロック」を知らせることで気候変動に積極的に対応し、注目を集めている。本誌は、その主人公である「サインクロック(代表キム・サンイル)」にインタビューを行い、話を聞いた。

気候の禍を防ぐことができるマジノ線を指している「クライメートクロック」

サインクロックは気候危機に積極的に対処するため、クライメートクロックを製作し、これを広く知らせ普及させるために尽力を注いでいる。クライメートクロックは、開発コストが高い割に市場性が低く、誰も自ら生産しようとしない。30年以上看板および建物内・外部用のデジタル時計を専門的に生産してきたサインクロックは、韓国では唯一クライメートクロックを製作している企業である。しかし、韓国では未だにクライメートクロックというものの存在すら知らない人が大多数を占めている。

クライメートクロックのキーはコントローラーであり、炭素の数値を自動で演算し時間を計算する部品である。サインクロックは、この演算コントローラーを独自で開発しており、当該コントローラーを保有している韓国メーカーはサインクロックが唯一である。

キム・サンイル代表は、「現在、クライメートクロックの残りの時間は、6年10か月あまり。年初に比べ、約1年ほど前倒しとなった。クライメートクロックが0になると、猛暑の発生頻度が8.6倍増え、干ばつの発生頻度は2.4倍、洪水量1.5倍、台風の強度も10％増加する。私たちは皆、気候危機を真剣に見つめ、カーボンニュートラルを実践すべきである。」と言及しました。

ヘラルド、韓国で初めてクライメートクロックを設置、自治体と区役所を中心に「サインクロック」取り組みの一助となる

最近では、このようなサインクロックの努力に賛同するところも徐々に増えつつある。ヘラルドが最も早く、ソウル・ヨンサン区に位置する社屋にサインクロックの大型クライメートクロックを設置している。チョンジュに位置したチュンブク環境教育庁にもクライメートクロックが設置され、プサン市の大型公園に設置する案も交渉を重ねている。その他にも、8月ソウル市のソンス洞エスファクトリーで開催された「2022大韓民国化学フェスティバル」の現場に、サインクロックがクライメートクロックと氷河が溶けていく姿を再現したオブジェを設置し、フェスティバルに訪れた人々の注目を集めた。ワンシンリ駅の広場にもサインクロックの大型クライメートクロックが設置され、通りかかりの人々から爆発的な関心を集めている。

サインクロックは、長らく色々な種類のデジタル時計を製作し、施工してきた専門メーカーであり、関連市場の国内シェア1位を記録している。最近韓国で街中やビルなどに設置されることの多い内部・外部用の大型デジタル時計を製作しており、ソフトバンクやHondaなどのグローバル企業にもデジタル時計を供給している。現在、サインクロックの大型デジタル時計は、ソウルのクロ区長を初めとし、国際通商高校、ジョンサン中学校、ムンレ小学校、キョンギド教育庁、農村振興庁の国立食料科学院などの多様な公共機関に設置されている。

当該メーカーは、デジタル時計に対し非常に高い技術力を持っている。他メーカーのデジタル時計は、ポリカーボネート(polycarbonate)や光源でLEDを発光させるのに比べ、サインクロックはLEDを直火で発光させるため、可読性が抜群で明るさも類を見ない。また、学校の講堂などで使用する大型のデジタル時計を製作する際は、時計の外部仕上げをプラスチックではなく鉄製でバンディングするため、耐久性にも優れている。サインクロックは、現在18種類以上の多様なサイズのデジタル時計を製作できる金型を独自で製作し、確保しているのだが、これもほかのメーカーとの大きな差別要素となっている。このような理由から、様々な自治体と区役所、学校などを含め病院などでもサインクロックのデジタル時計を積極的に導入している。

地球を守っていかねばという使命感で始めたクライメートクロックビジネス

従来のデジタル時計と広告看板などの事業内容だけでも安定的にビジネスを営むことができたサインクロックが、クライメートクロックのビジネスに飛び込んだのは使命感のためである。キム代表は、「クライメートクロックのことをいうと、周りから止められた。投資費用はかなりかかるのに、市場でのニーズは皆無に近いからだ。正直、今後10年は投資を続けるべきだと考えている。それでもこのビジネスに挑んでいるのは、ただただ地球を守りたいという使命感と人々の気候危機への意識を高めたいという気持ちがその背景にある。私たちに残された時間はそう長くない。皆で力を合わせて美しい地球を守り抜くべきだ」と述べました。

サインクロックのキム・サンイル代表のたゆまぬ努力のおかげか、最近になって一般人の気候危機に対する関心が徐々に高まっている。サインクロックは、先月「2022コリアビールド博覧会」にクライメートクロックを出品したことで、業界関係者と訪問客の爆発的な関心を得た。韓国の企業だけでなく、展示会に訪れた海外の企業もサインクロックのクライメートクロックに興味を示している。従来の日本現地取引先でも、大量にクライメートクロックを購入したいという意志を伝えてきた。

政府と自治体、公共機関の積極的な賛同が必要な時

私たちに残された時間はそう長くない。毎日のように地球の各地で異常気象が発生しており、その変化の動きも徐々に加速化している。キム・サンイル代表は、最後に「まだクライメートクロックの存在すら知らない人々が多く、気候危機に対する認識も不十分な状況だ。しかし、クライメートクロックがたくさん設置され、気候危機を警戒されることができれば、人々の意識も変わっていくと思う。当社は、クライメートクロックを以て利益を得ようとしているわけではない。これからは色々なところに寄贈もする予定だ。私たちが望んでいること、目標としていることは、政府と自治体、そしてたくさんの人々が私たちに賛同し、一緒になって世の中を変えていくことだ」と述べ、これからの力強く明るい青写真を示した。国から訪れる患者で門前市を成し、優れた医療スタッフと先進の診断と検査、治療機器を目当てに海外の同胞や放送人もよく訪れる皮膚科として有名になった。キム名誉院長は、「初めの数年間は365日、朝9時から夜9時まで診療した。もともと診療時間は午後6時までだったが、患者さんが押し寄せてきて帰ることができなかった」と語った。また、「医療保険公団や審査評価院院がまだなかった頃、医療保険連合会が病院で診療を受けた患者数を数えたところ、 個人医療院としては私たちの病院が全国で患者数第１位だった。今は多少減りはしたが、いまだに当時から訪れてくださるありがたい方々がいる」と述べた。このような盛況についてキム名誉院長は、誠実な態度が大きな役割を果たしたと語る。キム名誉院長は「医師が患者に接するときに必要なのは、基本的に誠実な態度だ。誠実に診療をするということは結局、その人の話を十分に聞くことであり、病気に関する情報を知ることになる」と述べた。2020年、現院長の金信