▲ Korea Esports Promotion Association / President Kiju Moon

eスポーツ文化と産業の育成、健全な国民経済の発展を目標に

韓国のeスポーツ発展に努める韓国eスポーツ振興協会

2021年10月に社団法人として正式に承認された社韓国eスポーツ振興協会（総会長文己周）（以下振興協会）は、eスポーツという余暇活動による国民レジャー宣揚の機会拡大と、eスポーツ振興発展およびeスポーツ文化と産業の育成を通じた国民経済の健全な発展を目的としている協会だ。そのために健全なeスポーツの活性化を図るための専門家を養成、教育し、eスポーツの専門人材とインストラクターの育成プログラムも開発している。その他にもeスポーツに関連する学術研究およびリサーチ業務事業、健全な家族レジャーとしてのeスポーツの強化と種目の発掘事業、教育用の教材発刊事業や社会的弱者のためのeスポーツサービスの提供事業などを行ってている。

様々な文化振興に取り組み、育ちゆく青少年が参加するeスポーツ

振興協会文己周総会長は、eスポーツと出会う前から様々な文化振興に取り組んできた。大韓デジタル文化独立運動宣言式、常緑樹デジログワールド映画祭の大会長であり、国際eスポーツフォーラム杯eスポーツ大会の発足を宣言した文化運動家でもある。また、成功した事業家として、機会があるたびに奨学金の寄託や社会福祉団体への寄付を惜しみなく行っている。eスポーツと関連しては、eスポーツ大会の発足のほかにも、eスポーツ振興協会の光明市への誘致、eスポーツアカデミーセンターのクロアンスへの出店などを実現させ、eスポーツをレジャーと高齢者福祉の領域にも拡大していくために活動範囲を広げている。

ムン・ギジュ会長がeスポーツの大衆化に力を入れる理由は、映像メディアが教育課程でどれほど良い作用をするかを知っているからだ。中高年層はeスポーツといっても通りがかりに見る程度だが、青少年や青年層は常にパソコンやモバイルでゲームを楽しみ、eスポーツを観戦している。子供たちの自我の成長過程でeスポーツが与える影響は非常に大きいというわけだ。それだけに、文己周総会長は「育ちゆく子供たちが自らeスポーツに参加し、健全に成長するのに役立てたい」と語る。

暴力性・射幸性の問題を解決、光明市をeスポーツのメッカに

振興協会では、eスポーツに対する偏見の最大の理由である暴力性と射幸性の問題解決のためにも力を入れている。青少年のいる家庭でゲームをめぐって葛藤が生じる理由として、これらの点や子供のゲーム中毒といった問題が挙げられる。このような問題が浮き彫りになっている以上、子供が単にゲームに関心を持っているだけでも、親としては過敏にならざるを得ない。振興協会は、これを補完するためにeスポーツに関心の高い子供たちが専門的な知識を学べるように、首都圏の大学にeスポーツ関連学科を開設するための準備に取りかかっている。このために振興協会がeスポーツのメッカとして選んだのが光明市だ。これについて振興協会は、「京畿道は多様なスポーツが活性化しており、地理的にアクセス性と交通の便が良く、ドーム球場があり、競技を行うにも最適な環境が備わっている」と述べた。市の関心も高く、積極的な支援に向けた様々な方法を模索している。文己周総会長は「光明市がeスポーツのメッカでありハブとしての役割を果たすものと期待している」と語った。

eスポーツを余暇や高齢者福祉の領域まで広げ、認知症予防などにより社会的費用を大幅に削減

ムン・ギジュ総会長「高齢者の心の健康·レジャー福祉、ゲームで解決」

eスポーツ産業への国の支援不足、eスポーツの宗主国の名が泣く

文己周総会長は、eスポーツの大衆化が必要な理由の一つとして、中高年者もメタバスを通じてサイバー空間で自我の実現が可能だという点を挙げている。高齢で身動きが不自由でも、介護士などの助けを借りて日常生活をすることができる。eスポーツは、最新ゲームを中心に若者層の中で広がっているが、中高年者が好む囲碁、将棋、サッカー、野球、ゴルフなども、オンラインゲームによるeスポーツ化の可能性が高いと文己周総会長は見ている。このようなゲームを通じて高齢者は脳の退化を防ぐことができると同時に、自我実現も可能である。文己周総会長は、eスポーツの大衆化とeスポーツを活用するレジャー福祉士が、老年層の心の健康と文化福祉環境を改善する出発点となであろうと述べた。文己周総会長はこのような状況を解決するためには政府の支援が必要であり、政府も支援する意思を表明しているが、 政府にはeスポーツに関連する組織すらないという点を指摘している。

予算の確保、持続的な発展のためにeスポーツ振興院が必要

選手層だけでなく全国民が楽しめるeスポーツを目指す

文己周総会長は、韓国eスポーツ振興院を作るべきだと主張する。今やeスポーツはサッカーや野球、バスケットボールのように大衆スポーツとなりつつある。これを発展させるためには、eスポーツリーグを管理し、国民的な生活化のための普及と指導、eスポーツ全般の発展に必要な総合的な計画が必要だ。一刻も早くこのような人材の流出を防いで体系的な計画と支援する必要があり、そのために必要なのがeスポーツ振興院だ。思い出した時にだけ鉢植えの植物に水をやるというのでは植物は育たない。より定期的で計画的な管理が必要だ。eスポーツも定期的な支援とその支援を活用する体系的な計画が必要だ。さらに、単に選手層だけを支援するのではなく、eスポーツに関する韓国のゲーム産業全般を支援し、これを国民に普及するためには専門の機関と団体が必要だというわけだ。