■ GTX-Aからマウルバスまで、交通福祉の拡大

2023年の開通を控えたGTX-Aは、韓国初の大深度都心高速鉄道であり、坡州からソウル駅まで20分台でのアクセスを可能とする。坡州からソウルと城南、龍仁、東灘まで一度に行けるGTX-Aは、ソウルなどに通勤する市民に直接的な影響を及ぼすだけでなく、坡州市の主要産業の活性化にも大きな影響を及ぼすことになる。

現在この路線は財政事業として建設中の「三成～東灘」とつながって「坡州～高陽～三成～東灘」となり、延長83.1㎞の距離を最高速度180㎞/h、平均時速100㎞/hで走る。

2019年6月の着工後、雲井駅の垂直掘削が完了し、現在、本線トンネルの掘削工事と車両基地の敷地造成工事が始まった。これに伴い、坡州市は、GTX-A時代に備えて鉄道やバスなど交通機関の連携がうまく行われるように交通改善策を施行してきた。

 

■ チャンスは創り出すもの…メディカルクラスター・テクノバレーなど自足都市へ

坡州は新都市が造成されて以来、自給自足が可能な都市となるために前もって動いてきた。過去3年間、交通革新とともに、雲井新都市近隣に46万㎡規模の「坡州メディカルクラスター」造成事業に力を注いできた。これまで大型病院などの医療インフラが不足していただけに、市民に最高の医療サービスを提供する大学病院を誘致し、優秀な医療者と研究者のための各種研究施設や支援施設も設立する。坡州メディカルクラスターは、医療施設のみならず、イノベーション医療研究団地、医療バイオ研究開発センター、バイオ融合・複合団地、背後圏の利便施設が建設されるオープン型クラスターである。特に民間企業が中心となって医療・バイオ研究を進めるだけに、従事者の住居と文化、仕事などを全て充足できる環境を造成するという点に意義がある。

 

■ 市民の安全のためならば…新型コロナウイルス検査

前代未聞の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、坡州市は先制的かつ積極的な政策で感染の拡大を防いできた。マスク不足で全国的に混乱に陥った時にも、製造工場と協約して53万900枚のマスクを市民に供給した。京畿道で最初に陰圧テントを保健所に設置し、流行の原因となるものが明らかになるたびに迅速に検査を行った。

また、全国で初めて「車両型巡回選別検査所」を設けた。巡回選別検査所は、陽圧式検体ブースを搭載した1トン車両で、交通脆弱地域や仕事で忙しい人々を対象に検査を行った。集団感染が発生した時には、外国人労働者を対象に先制的な検査も行った。自主隔離者には生活施設を無償で支援し、海外からの入国者には臨時生活施設と特別バスも提供した。

 

■ 自然・北朝鮮に最も近い坡州、さらに高まる価値

「韓半島の平和首都」坡州は、民選７期の出発を南北平和政策からスタートした。崔鍾桓市長が就任した2018年7月、まず「南北平和協力タスクフォースチーム」を設けた。「平和協力課」を作って南北交流協力業務を担わせ、その結果、基礎自治体としては初めて「対北支援事業者」に指定された。平和経済特区として指定されるように署名運動、討論会などを行うなど、平和共存の雰囲気づくりを行った。臨津江亀甲船復元、都羅展望台の移転新築、臨津閣平和ゴンドラ運行開始、DMZ平和の道造成、板門店宣言、恵蔭院址の観光資源化などにより観光競争力も高めた。現在、市は雲井湖水公園とソリ川一帯に音楽噴水、水の音休憩所、水辺カフェなどを造成する親水空間造成事業を推進している。

■新型コロナウイルスに先手を打つ坡州、グリーンニューディール事業を強化

「統一営農型太陽光発電施設」「環境調和型燃料電池事業」など、再生可能エネルギー普及事業を活発に行っている坡州が「水素エネルギー事業」も拡大施行する。

現在、坡州は農村地域の新成長動力を確保し、地域の不均衡を解消するために農地の上に太陽光発電施設を設置する事業を進めている。すでに積城面客峴里一帯の3か所に300kw規模の発電施設が設置されており、農業に必要な日照量を確保、農作物の収穫量増大に寄与し、毎年太陽光発電事業で発生する収益金（年間2千万ウォン）は農民の福祉に使用される予定だ。 また、環境調和型燃料電池発電事業により、都市ガス（ＬＮＧ）を電気エネルギーに変換して、環境に配慮した再生可能エネルギーを生産している。

■ 農業従事者の所得安定、未来の食糧を創出

農業従事者のための所得支援政策なども拡大して施行する。市は農村環境の保存と農業の公益的な役割に対する補償策として、「基本型公益直接支払金」と「坡州市農民基本所得」を支給する。公益直接支払金は、小農直払金と面積直払金として今年中におよそ6687ha相当の137億8,400万ウォンが支給される。農民基本所得（道費50％）は坡州市に住民登録をしている農民を対象に、毎月５万ウォンずつ支給される。関連条例の制定後、需要調査を経て1月から施行する予定で、約1万5,000人の農民に合計約92億ウォンが支給されるものとみられる。また、「市民が満足する親水空間を造成し、坡州型グリーンニューディールなど未来に備え、広域交通網の拡充、雇用創出、自足機能の向上など市民の要望に応えて、過去3年に劣らぬ価値ある1年となるように最善を尽くす」と強調した。 

장선희 기자  light_hee01@naver.com